ノルディック複合、渡部善斗が目指す兄・暁斗との北京五輪メダル「まずは僕から」

新型コロナウイルスに振り回されたシーズンでもあった。昨年11月に出国し、シーズン途中に一時帰国する予定でいたがかなわず、「補助食品や道具を取りにいけなかった」。W杯も中止が出て試合間隔があくことが相次ぎ、「その間隔で練習しすぎて体力を落としたり、休みすぎて試合勘をなくしてしまったりしたのは反省点」と振り返る。

飛躍する渡部善斗=ラムソー(AP)
飛躍する渡部善斗=ラムソー(AP)

経験を生かし、今は「次の試合に高いパフォーマンスで入っていけるような流れを確立しておかないといけない」と調整法に目を向ける。特にコロナの影響は今後も不透明で、21年~22年シーズンも同様な混乱があっても不思議ではない。「夏場の練習からリズムを変えてみたり、自分にあったものを模索できれば」と先を見据える。

W杯日本勢最多タイの通算19勝を誇る偉大な兄、渡部暁と同様に長野・白馬高、早大、北野建設で競技生活を送ってきた。五輪は14年ソチ五輪と18年平昌五輪の2大会に出場したが、個人種目で2大会連続2位になった兄には及ばず、メダル獲得に至っていない。

五輪の団体戦で、日本は1994年リレハンメル五輪の金メダル以降表彰台から遠ざかり、「団体戦でのメダルは、僕がジュニア時代から言われている」(渡部善)。4人の総合力が問われる中、渡部暁に続く選手の台頭がなければメダルが近づいてこないことは、誰よりも理解している。

「今は暁斗頼みで、もう1人でもトップに絡む実力が必要。難しいことだけどやれなくはないと思うし、まずは僕から頑張ろうという覚悟は持っている。1人でも変われれば一気に勝負できる状況にはあると思うし、僕がきっかけを作れるような選手になれればすごく面白いんじゃないか」。兄弟で五輪の表彰台に立つ日を夢に、切磋琢磨を続ける覚悟だ。(運動部 小川寛太)