首相、コロナ対策で安心感醸成を優先 衆院解散

英コーンウォールで開催された先進7カ国首脳会議(G7サミット)に出席した菅義偉(すが・よしひで)首相が13日午後(日本時間14日未明)、同行記者団との懇談で、新型コロナウイルス対策を最優先に掲げつつ、秋までに行われる衆院解散・総選挙の時期を模索する意向を示した。感染防止と新型コロナワクチンの接種を徹底し、国民の安心感を醸成した上で、「天王山」に臨む狙いが透ける。

「私の任期は決まっている。いつあってもおかしくない。ただ、最優先は新型コロナ対策だ」。現在の衆院議員の任期満了が10月に迫る中、首相は衆院選について現地で記者団にこう述べた。

首相は9日の党首討論で、ワクチン接種について「10月から11月にかけて必要な国民には全て終えることを実現したい」と述べた。自民党関係者は「内閣支持率はワクチン接種が順調か否かに左右される。衆院選の結果がどうなるかはワクチン次第だ」と語っており、政府の新型コロナ対策の成否が最大の焦点となりそうだ。

ただ、首相は野党が16日に閉会を迎える今国会で内閣不信任決議案を提出する構えを崩していないことなどから、会期中に解散権を行使する余地も残した。「もし出たら、出た時点で考えたい」「これからいつあってもおかしくない状況が続いていくのだろうと思っている」と牽制(けんせい)した。

立憲民主党の福山哲郎幹事長は13日のNHK番組で、政府・与党が会期の大幅延長に応じない場合、「内閣不信任決議案の提出は選択肢の大きな一つだ。(衆院の)解散を覚悟の上で、提出するとすれば、提出していきたい」と語っており、最終盤を迎えた国会で与野党の神経戦は激化している。

一方、首相は次の自民党役員人事のポイントとなる二階俊博幹事長の続投の有無に関して明言を避けた。「安定的な党運営をしていただいて感謝している。党の問題に対して神経を使わずに国政に専念できている。大変評価させていただいている」と述べるにとどめた。

(内藤慎二、田村龍彦)