【コーンウォール(英南西部)=板東和正】先進7カ国首脳会議(G7サミット)は13日、英南西部コーンウォールで最終日の協議を開始した。気候変動問題などを討議し、G7各国が温室効果ガスの排出量を2030年までに10年比でほぼ半減させる方針を確認する見通し。
G7サミットは同日、3日間の議論の成果を盛り込んだ首脳宣言を採択し、閉幕する。午後に議長を務めるジョンソン英首相が記者会見し、サミットの成果を発表する。
13日の気候変動をテーマにした会合では、G7首脳が温室効果ガスの排出量を削減するため、石炭火力を可能な限り早期に廃止することや、海外の化石燃料エネルギー部門への公的支援停止などについて議論する。途上国の温暖化対策を促す財政支援についても意見交換する。
ジョンソン氏は会合を前に声明を発表し、「私たちの惑星を守ることは、リーダーがそれぞれの国民のためにできる最も重要なことだ」と強調した。
13日は、中国を念頭にした人権問題やサイバー攻撃の問題も議題となる。
中国をめぐっては、G7サミットが12日、途上国でのインフラ整備を支援する新構想で合意した。中国が巨大経済圏構想「一帯一路」に伴い周辺の途上国で進めている支援への対抗策となる。
中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区でのイスラム教徒少数民族ウイグル族に対する人権侵害や「台湾海峡の平和と安定の重要性」についても、首脳宣言に明記する方向で調整している。
サミットは11日午後(日本時間同日夜)に開幕。対面形式でのサミット開催は約2年ぶりとなった。新型コロナウイルス禍からの復興についても議論され、途上国などに対して新型コロナウイルスのワクチンを少なくとも10億回分提供することで合意。将来のパンデミック(世界的大流行)に備え、ワクチン開発や治療法確立にかかる期間を100日以内に短縮する目標でも一致した。