ピュリツァー賞に黒人暴行死事件撮影の18歳少女

【ニューヨーク=平田雄介】米東部の名門コロンビア大は11日、優れた報道をたたえるピュリツァー賞を発表した。昨年5月の米中西部ミネソタ州での白人警官による黒人男性暴行死事件で、被害者が首を膝で圧迫されて亡くなるまでの様子をスマートフォンで撮影した少女のダルネラ・フレーザーさん(18)を特別賞に選出した。

フレーザーさんが撮影した動画は、第2級殺人などの罪に問われた白人警官のデレク・ショービン被告の裁判で証拠採用され、今年4月に陪審団が有罪評決を出す根拠の一つとなった。

フレーザーさんは9歳のいとこを連れて買い物に出かけた際、警官に取り押さえられたフロイドさんが命乞いをする姿を目撃し、スマートフォンを取り出して動画を撮影した。その夜遅くにフェイスブックに投稿した動画は世界中で数百万回再生された。

ロイター通信によると、ピュリツァー賞の選考委員会が、カメラ付き携帯の普及で広まった記者経験のない人による「市民ジャーナリズム」の価値を認めるのは異例。選考委員会は受賞理由を「事件を勇敢に撮影して警察の残忍な行為に対する抗議を世界規模で引き起こし、ジャーナリストが真実と正義を追求する上で市民が果たす重要な役割を際立たせた」と説明した。

最高の栄誉とされる公益部門には、新型コロナウイルス感染拡大をめぐる米社会の人種・経済格差などの問題を報じたニューヨーク・タイムズ紙が選ばれた。

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