日本、途上国のインフラ開発やワクチン支援で存在感

G7サミットに出席するため英コーンウォールの空港に到着した菅首相と真理子夫人=11日未明(共同)
G7サミットに出席するため英コーンウォールの空港に到着した菅首相と真理子夫人=11日未明(共同)

【コーンウォール(英南西部)=田村龍彦】11日開幕の先進7カ国首脳会議(G7サミット)は米国の多国間協調への〝復帰〟を印象付けるものとなる。国際社会の構図が変容する中で、日本は途上国のインフラ開発や新型コロナウイルスワクチン支援などに関し、独自の存在感を示そうとしている。

自国第一主義を掲げた米国のトランプ前大統領はG7を軽視し、欧州の首脳らと対立。その間、日本は安倍晋三前首相が両者の調整役を果たすだけでなく、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などの自由貿易体制や、法の支配など「自由で開かれたインド太平洋」構想を推進し、国際秩序の牽引(けんいん)役を担った。国際協調や同盟国を重視するバイデン氏の登場で、日本を取り巻く環境は変化する。

ワクチン外交をめぐり、日本は米英のように他国に提供する自国製ワクチンを持たず、国内接種も出遅れた。ただ、2日に開催したワクチンサミットでは、途上国にワクチンを供給する多国間の枠組みへの拠出を呼びかけ、ベトナムなど新たな拠出国の参加を実現した。

サミットでは、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」への対抗策も協議される。政府関係者は「ただ『一帯一路はダメ』というだけでは資金のない新興国の理解を得られない」と話す。

日本は、透明性や債務の持続可能性などを重視する「質の高いインフラ」投資を提唱してきた。中国が返済に窮した途上国のインフラ権益を奪う「債務のわな」が問題視される中、重要性は増す。日本として政府開発援助(ODA)や人的支援の長い経験もある。

中国に対抗するには、東南アジア諸国連合(ASEAN)などとの連携が欠かせないが、さまざまな政治体制を持ち、欧米流の人権や民主主義と相いれない部分もある。外務省幹部は「インド太平洋は多様性があり、米国に助言するのも日本の役割だ」と話す。