首相、公明候補に「推薦」内定証 異例の解散前

菅義偉首相=7日午後、国会内(春名中撮影)
菅義偉首相=7日午後、国会内(春名中撮影)

菅義偉首相(自民党総裁)は10日、次期衆院選で選挙区に立候補する公明党の公認候補9人と自民党本部で面会し、推薦の内定証を手渡した。公明の山口那津男代表や自民の二階俊博幹事長らも同席した。自民が衆院解散前に推薦の内定を出すのは異例だが、公明の強い要請で実現した。

「がんばってください」。首相は各公明候補に内定証を渡しながら激励の言葉をかけた。「必勝」と書かれた色紙を贈り、一緒に写真撮影も行った。この後、山口氏は記者団に「格別の配慮をいただいた。心から感謝したい」と述べた。

公明は今回の推薦内定をテコに、自民支持層への浸透を図る。公明関係者は「自民のお墨付きがあるのとないのでは活動に大きな差が出る」と指摘。公認候補の一人でもある北側一雄副代表(大阪16区)は10日の記者会見で「推薦内定はありがたい。ただちに支持が広がるとは思っていないが、きっかけとして大事だ」と語った。

公明が自民の推薦内定を急いだのは衆院選への危機感の表れでもある。支持母体である創価学会の組織力を背景に高い集票力を誇るが、近年は陰りもみられる。新型コロナウイルス禍で、座談会や訪問を通じて支援を呼びかける得意の活動も封じられている。

さらに、今回は9人のうち2人が選挙区候補としては新人という不安要素もある。山口氏は「自民支持層への浸透は(選挙基盤が)弱いところからスタートしなければならない。知名度や人柄、政策、実績を知ってもらう上でも推薦内定を早くもらうことは重要な意味を持つ」と話す。

一方、9選挙区以外では公明の協力を得る自民としても断る理由はなかった。自民の山口泰明選対委員長は記者団に「(自公の選挙協力は)プラス材料が多い。非常に喜んでいただいて、弾みになるのではないか」と語った。(石鍋圭)