米国防長官、対中で「総力挙げた取り組みを」と訓令 同盟・パートナー諸国とのネットワーク強化目指す

オースティン米国防長官(ロイター=共同)
オースティン米国防長官(ロイター=共同)

【ワシントン=黒瀬悦成】オースティン米国防長官は9日、中国の脅威への効果的な対処に向け、国防総省が総力を挙げて取り組みを進めることを求める訓令を出した。バイデン政権発足後の2月から対中戦略の見直しを進めていた省内の専門対策チームが同日、オースティン氏に最終提言を出したのを踏まえて発令したとしている。

バイデン政権は中国を「台頭する最大の挑戦」と位置づけている。今回の訓令と最終提言は、国防総省が対中戦略について名実ともに最優先課題として取り組んでいくための基本指針に位置付けられる。

オースティン氏は訓令で「国防総省が同盟・パートナー諸国とのネットワークを再活性化させることを求める」とし、中国をにらんで日本や韓国などのインド太平洋地域の同盟諸国との関係強化を目指していく考えを示した。

同氏はまた「抑止力を強化し、新たな作戦概念や能力、将来的な米軍の態勢の構築を加速化させていく」と表明した。

訓令は、オースティン氏が国防総省が扱う中国関連の政策や軍事作戦、情報収集活動を直接統括することも明記したという。

国防関連高官によると、陸海空に加えてサイバー分野などを有機的かつ複合的に運用する「新統合戦闘概念」に関しても、オースティン氏が策定の促進に直接関与するとしている。

同高官はまた、日本に関連する計画や構想については日本政府とも慎重に協議を進めていくとした。

訓令や提言の詳細な内容については、省内向けであることに加え、機密事項が含まれているとして公表されていない。

対中戦略の見直しは、先に国防次官補(インド太平洋安全保障担当)に指名された、中国専門家のラトナー国防長官特別補佐官を座長とする対策チームによって進められていた。最終提言の提出を受けて対策チームは解散する。

会員限定記事会員サービス詳細