中国と台湾が「日本」との長期的な関係をめぐって「50年」と「100年」の綱引きを始めた。1972(昭和47)年9月29日に田中角栄政権が、中国と国交を正常化して来年で50年を迎える。中国はこの時期をにらみ、対中包囲網の4カ国枠組み「クアッド」の一角である日本の世論を攪乱(かくらん)しようと、「次の50年も」と秋波を送る。一方、台湾は民主主義陣営内の連携を安全保障の要とするべく、戦前の日本統治時代の歴史も踏まえて「100年後の子孫にも」と日本との絆の深さを訴えている。
日中の国交正常化50年までには、今年7月の中国共産党創立100年や東京五輪、中国の建国記念日である10月1日の「国慶節」、10月10日に台湾が「建国記念日」として祝う「双十節」、来年2月の北京冬季五輪と行事が続く。中台の間で揺れ動きやすい日本人をターゲットに、中台の当局は水面下で火花を散らしている。
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