暑さ「日本一」埼玉・熊谷市、「対策も日本一」の自負

厳しい暑さで知られる埼玉県熊谷市が、夏の到来に備えて暑さ対策に力を入れている。乳幼児に保冷シートを配ったり、熱中症対策のオンラインセミナーを開いたりする取り組みを通じ「暑さから市民の命と健康を守る」(富岡清市長)。猛暑の〝本場〟として対策に取り組んできた経緯から、全国の自治体をリードするという自負心は強い。

市は7月上旬から市内の1、2歳児計約2500人に保冷シートを配る。保護者に対し啓発のチラシと一緒に郵送する予定だ。チラシには「乳幼児は体温調節機能が未発達」などの情報を載せて注意を促す。

これに先立ち、6月中旬からは市内の小学1~3年生約5千人に対し、子供に大人気の「うんこドリル」のキャラクターを使ってドリル形式で熱中症の注意点を紹介する冊子を配布する予定だ。熱中症対策のオンラインセミナーは5月から開催し、市の暑さの実態や対処法を紹介している。

加えて、新型コロナウイルス感染拡大長期化で必需品となったマスクが熱中症のリスクを高めるとの指摘があることから、防災行政無線による水分補給の呼び掛けなども強化している。

標高が低く海から離れている熊谷市は気温が高くなりやすく、近年は熱中症による搬送者が100人を超える年が目立つ。平成30年7月に観測された気温41・1度は、浜松市の昨年8月の記録と並び国内最高だ。

熊谷市は、19年8月に当時の国内最高気温の40・9度を記録したことを契機に、暑さ対策を重要な課題ととらえ緑化や冷却ミスト設置などの事業に取り組んでいる。富岡市長が「暑さ対策日本一だと自負している」と語る通り、昨年には、優れた熱中症予防啓発活動を表彰する環境省などの「ひと涼みアワード」で「殿堂入り」を果たした。

市関係者は「暑さを競うのではなく、熱中症をいかに予防し命を守れるかが命題だ」と話し、引き続き対策に注力する姿勢を強調した。(中村智隆)