インド、感染者減で規制緩和着手 農村部での押さえ込み課題 - 産経ニュース

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インド、感染者減で規制緩和着手 農村部での押さえ込み課題

インド南部ハイデラバードで、新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける男性=5月30日(AP)
インド南部ハイデラバードで、新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける男性=5月30日(AP)

【シンガポール=森浩】新型コロナウイルスの感染が一時爆発的に拡大したインドで、新規感染者の減少傾向が続いている。厳格なロックダウン(都市封鎖)が奏功したとされ、8日には1日当たりの新規感染者が約2カ月ぶりに10万人を下回った。一部の都市は制限解除に乗り出したが、医療態勢が整っていない農村部の正確な感染状況が不明なだけに、手探りの緩和となりそうだ。

インドでは3月下旬から変異株流行などによって感染の「第2波」が押し寄せ、5月上旬には1日当たりの新規感染者が40万人を超えた。各都市が相次いで夜間外出禁止や商業施設閉鎖などの措置を含むロックダウンを実施したことなどを受け、今月8日発表の新規感染者は8万6498人にまで減少した。

首都ニューデリーでは7日から地下鉄の運行が再開されるなど規制が段階的に緩和されている。インドは新型コロナ流行の影響で、2020年度(20年4月~21年3月)の国内総生産(GDP)成長率が前年度比7・3%減と約40年ぶりのマイナス成長を記録。政府は経済の足かせとなるロックダウンの長期化を警戒しており、正常化を急ぎたい考えだ。

ただ、農村では病院がない地域もあり、政府が全国の感染状況を正確に把握できているとは言い難い。コロナ禍で経済的打撃を受けた農村部の住民が職を得るために都市部に移動すれば、「第3波」につながる懸念もある。

政府は拡大防止の切り札としてワクチンの普及を急いでいるが、2回の接種が完了した人は約4700万人で人口の4%程度にとどまる。モディ政権は18歳以上の接種の無料化のほか、日本や米国など特定の国が承認したワクチンについて、国内での臨床試験(治験)を省略する方針を発表。ワクチン普及の速度を上げたい考えだ。