【ニューヨーク=平田雄介】南米ペルー大統領選の決選投票は7日、選挙管理当局による集計作業が95・62%まで進んだ。地方の票が開くにつれて、急進左派のペドロ・カスティジョ氏(51)が得票率を伸ばし、都市部で先行していた中道右派のケイコ・フジモリ氏(46)を僅差で上回った。ケイコ氏に有利とされる4%程度の在外投票の集計が残っており、勝敗の行方は予断を許さない。
ペルー選挙管理当局によると、得票率はカスティジョ氏が50・24%、ケイコ氏が49・75%。大接戦のため、結果確定までに数日かかる可能性がある。
カスティジョ氏はマルクス主義を信奉し、福祉と教育の拡充などを訴え、地方の貧困層にアピール。ケイコ氏は市場経済を重視し、都市部の中間層以上の支持を広げた。激しい選挙戦を通じ、所得水準や地域によるペルー社会の二極分化が表面化した。
ケイコ氏は日系2世のアルベルト・フジモリ元大統領(82)の長女で、人権侵害事件で服役中の父の恩赦を公約。自身も汚職事件で起訴され、禁錮30年10月を求刑されている。3度目の挑戦で、当選すれば同国初の女性大統領となる。