中国、ASEAN取り込みへ特別外相会議

中国の王毅国務委員兼外相(共同)
中国の王毅国務委員兼外相(共同)

【シンガポール=森浩、北京=三塚聖平】中国の王毅(おう・き)国務委員兼外相は7日、南西部の重慶で、東南アジア諸国連合(ASEAN)と対面形式の特別外相会議に臨み、関係強化に乗り出した。民主主義陣営が11~13日の先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)を通じて対中批判を強める事態も見据え、ASEANを自陣営に取り込み、対中包囲網の拡大を阻止したい考えだ。

会議は1991年に中国とASEANが対話を開始し、今年で30年を迎えることを受けて計画された。王氏とASEANが共同議長となり、王氏は各国外相らと個別会談も行った。

中国は南シナ海の領有権問題をめぐってフィリピンなど一部の国と摩擦が強まる一方、経済支援や新型コロナウイルスの「ワクチン外交」をテコにASEANへの浸透を図っている。クーデター後のミャンマー情勢をめぐっても早期解決に向けたASEANの取り組みを支援することを表明した。中国としてはASEANと連携し、人権問題などで圧力を強める欧米諸国を牽制(けんせい)したい思惑がある。

米国のバイデン政権は、トランプ前大統領がASEAN加盟国が参加する東アジアサミットを4年連続で欠席し、「東南アジア軽視」と批判を浴びたことも受け、ASEAN重視の姿勢を打ち出した。5月25日にはブリンケン国務長官が移動中の機内からオンライン形式でASEANと外相会議を開く予定だったが、米側の通信障害で見送られ、中国に後れをとる形となった。

ASEAN内部では経済支援を見込んだカンボジアやラオスなどが対中接近を図っている。一方で、中国が領土的野心を隠そうとしない南シナ海問題や巨大経済圏構想「一帯一路」が生む巨額債務への懸念から、過度の対中接近に警戒感も高まっている。