皇位継承ヒアリング終了 政府、国会報告は衆院選後に

皇室典範特例法に関する有識者会議のヒアリングに臨む小説家の綿矢りさ氏(中央)=7日午後、首相官邸(春名中撮影)
皇室典範特例法に関する有識者会議のヒアリングに臨む小説家の綿矢りさ氏(中央)=7日午後、首相官邸(春名中撮影)

政府は7日、安定的な皇位継承策を議論する有識者会議(座長・清家篤元慶応義塾長)の第6回会合を首相官邸で開いた。ヒアリングは今回が最後となり、今後は計21人を対象に行ったヒアリングの結果を踏まえ、政府に対する報告をまとめる見通し。これを受け、政府は国会に安定的な皇位継承策に関する検討結果を報告するが、次期衆院選への影響を考慮し、選挙後に先送りする案が有力だ。

7日のヒアリングでは文化・芸能と神道の専門家4人から約30分ずつ意見を聴いた。母方にのみ天皇の血筋を引く女系への皇位継承資格には全員が慎重で、戦後に皇籍を離れた旧宮家の皇籍復帰には4人とも前向きだった。

芥川賞作家の綿矢りさ氏は女系への資格拡大に関し、「永らく受け継がれてきた皇室の歴史、築き上げられた伝統へ敬意を払うことは大変重要だ。伝統を重んじる観点から慎重に取り扱う必要がある」との見解を示した。

気象予報士・女優の半井(なからい)小絵氏も「日本を混乱させる原因となり許容できない」として女系の皇位継承に反対した。漫画家の里中満智子氏は「何となく『男女同権』『女性の力を生かす』というイメージで女系天皇をよしとする気持ちになっている人もいる」と指摘した。

一方、国学院大の松本久史教授(近世・近代神道史)は旧宮家の皇籍復帰について「十分に考慮する必要があろう。男系による継承の歴史はゆるがせにできない」と賛成した。

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