米、職場接種広がらず 企業や大学では義務化で論争も - 産経ニュース

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米、職場接種広がらず 企業や大学では義務化で論争も

米オハイオ州のケント州立大の学生(左)に新型コロナウイルスのワクチンを接種する同大の看護学生=4月8日(AP)
米オハイオ州のケント州立大の学生(左)に新型コロナウイルスのワクチンを接種する同大の看護学生=4月8日(AP)

【ワシントン=塩原永久】米国では新型コロナウイルスワクチンの職場接種の取り組みは浸透していない。地方行政当局などが設置した多数の集団接種会場があるほか、街中のドラッグストアでも接種できるようになっており、職場接種を行う必要性が乏しいことが一因とみられる。

米国では少なくとも1回の接種を終えた人は18歳以上の人口の6割を超えた。昨年12月の接種開始後、州や郡がイベント施設や公民館、商業施設などに集団接種会場を相次ぎ開設。全米で約1万店を展開する医薬品店兼雑貨店チェーン「CVSファーマシー」などの店舗でも接種でき、ワクチン普及を後押ししてきた。

米国では会社に産業医を置くことが義務付けられておらず、職場接種は広がっていない。ただ、最近は国内の1日あたり接種回数が100万回程度と、最盛期の約3割に低迷。地域住民の接種比率を高めようと、東部コネチカット州や西部コロラド州などが、企業の求めに応じ、ワクチンとともに接種担当の医療関係者らを会社に派遣するプログラムに乗り出している。

ワクチン普及にともなって企業活動や学校の再開が進む中、経営者や学校運営者がワクチン接種を義務化するかどうかが争点に浮上してきた。

航空大手デルタ航空が新規採用者に接種を義務付けるなど、接種を採用や出社の条件とする動きが拡大。9月に新年度を迎える大学でも、ワクチン接種に積極的なリベラル層が多い州を中心に、対面授業に出席する学生に義務付ける例が増えている。

ただ、米世論調査ではワクチン接種を忌避する人が3割近くにのぼる。企業や大学により対応は割れており、米紙によると、義務化に反発する従業員が会社側を訴えるケースも出ているという。