笹生が「世界一」の夢実現 全米女子オープン初優勝

メジャー初優勝を果たし、祝福される笹生優花。左は畑岡奈紗=オリンピック・クラブ(ゲッティ=共同)
メジャー初優勝を果たし、祝福される笹生優花。左は畑岡奈紗=オリンピック・クラブ(ゲッティ=共同)

日本勢対決となったプレーオフ3ホール目、笹生優花は第1打を深いラフに入れた。対する畑岡奈紗はフェアウエーキープ。厳しい展開となった。だが、気持ちを奮い立たせた。切れ味鋭く、力強いアイアンショットで果敢に攻め、ピン2メートル弱にオン。バーディーパットを決め、右手でガッツポーズ、キャディーと抱き合って、最年少での初優勝の喜びを表現した。

首位に1打差、6アンダーの2位でスタートした最終ラウンド。緊張からか思い通りのプレーができず、2、3番で連続ダブルボギーを叩いて大きく後退、集中力が切れかけた。「キャディーから、大丈夫、自分を信じて前へ進めと声をかけられた。それで気持ちが落ち着いて切り替えられた」と笹生。

我慢のプレーが続いたが、最後の3ホールで底力を発揮した。16、17番の連続パー5。16番で第3打をピン1メートルに付けてバーディー。17番は第2打をバンカーに入れたが、絶妙なショットで50センチに寄せて連続バーディー。首位を走っていたレキシー・トンプソン(米国)が失速したため、畑岡奈紗とともに4アンダーでプレーオフに持ち込んだ。

「飛距離が生かせればチャンスはあると思った。緊張して最後の18番ではおなかが痛くなった。バナナ食べて落ち着いた」

フィリピンで日本人の父・正和さんとフィリピン人の母・フリッツィさんの間に生まれた。両国の国籍を持つ。8歳の時から正和さんの影響で本格的にゴルフに打ち込み、フィリピンで力を蓄えた。ランニングでは足におもりのベルトを付けたり、サンドバッグを叩いて腕力を付けたりと、166センチ、53キロの体を鍛えた。ラフやバンカーに入っても動じない姿はここから生まれた。

ジュニアで各地の大会を制し、2018年アジア大会ではフィリピン代表として2冠。日本のプロになったのは19年。男子プロの尾崎将司のもとに通って練習に励んだ。20年には日本ツアーで2勝を挙げた。今年は日本と米国双方の大会に出場してきた。

心の中では「世界一になりたい」と思い続けてきた。目標としてきた選手は、男子のロリー・マキロイ(英国)とタイガー・ウッズ(米国)。最年少の19歳351日で夢をかなえた。

「本当に夢にみていたことができるなんて思ってもいなかった。そばにいて支えてくれた家族やみんな、我慢してくれたことに感謝したい」

今回の優勝で米国ツアーの本格参戦を手に入れた。笹生の夢はどこまでも広がる。

笹生が全米女子OPゴルフ初優勝 畑岡とのプレーオフ制す

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