「それだけの時間が立ったのか…」。同僚のカメラマンが取材後に出稿した写真を見てそんな思いがしました。
7人が殺害され、13人が重軽傷を追った東京・秋葉原の無差別殺傷事件から8日で13年になります。あの日私は朝刊デスクを担当していました。
交代のデスクが出社するのを待っていた昼過ぎ、消防の無線が急に騒がしくなり、「秋葉原で負傷者多数」の一報。聴いたこともないような緊迫した口調に、コンビニから戻ってきたカメラマンに「すぐ現場に向かって!」と指示を出しましたが、ただ事ではない雰囲気に、別の仕事をしていたもう一人のデスクにあとを任せて私も現場に飛び出しました。
到着すると一帯は人だかり。当初は事件なのか事故なのか、詳しい状況が判明しないまま懸命にシャッターを押したことと、どこが現場の中心なのかも分からないような騒然とした状況は、今も忘れることができません。