脱炭素最前線㊤

水素ガスタービンでCO2排出をゼロ 三菱重工、火力代替 世界トップ走る

三菱重工は昨年11月に脱炭素事業を成長戦略の柱とする方針を示した。30年度に3000億円の売上高を創出し、21年度から3年間で900億円を投じる計画だ。水素の製造や輸送・貯蔵、利用の技術を磨き、エコシステムの構築に取り組む。

発電所から発生するCO2を回収し、輸送・貯蔵、燃料に転換利用する事業の拡大も目指している。原子力発電も脱炭素に貢献する技術と捉え、世界最高水準の次世代軽水炉の30年代後半の投入を計画する。

10月には三菱パワーを統合する。三菱パワーの火力発電の脱炭素化と三菱重工の水素・CO2エコシステムの構築を同時並行で迅速に推進する狙いだ。泉澤清次社長は「総合エナジーカンパニーを目指す」としており、技術開発を強化し、世界の脱炭素化を後押しする。

(経済本部 黄金崎元)

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