第92期ヒューリック杯棋聖戦

成功率は3分の1以下、厳しい初タイトル防衛戦

【第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局】渡辺明三冠(右)に先勝し感想戦に臨む藤井聡太棋聖=6日午後6時37分、千葉県木更津市の龍宮城スパホテル三日月(恵守乾撮影)
【第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局】渡辺明三冠(右)に先勝し感想戦に臨む藤井聡太棋聖=6日午後6時37分、千葉県木更津市の龍宮城スパホテル三日月(恵守乾撮影)

千葉県木更津市の龍宮城スパホテル三日月で6日に指された「第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負」で、初めてタイトル防衛戦に挑んだ藤井聡太棋聖(18)=王位=が白星で飾った。約80年のタイトル戦の歴史で獲得した棋士45人中、初タイトルの防衛に成功したのは14人しかいない。「タイトルを防衛して一人前」といわれる厳しい防衛戦で、藤井棋聖は好スタートを切った。

初タイトル防衛に成功した14人は、大山康晴十五世名人(故人)や、十七世名人の資格を持つ谷川浩司九段(59)、藤井棋聖に挑戦中の渡辺明三冠(37)=名人・棋王・王将=らだ。一方、最多のタイトル獲得数99期を誇る羽生善治九段(50)は初タイトル防衛には失敗している。

タイトル獲得数27期の谷川九段は「初タイトルを防衛するのは若手なので、強い先輩棋士が挑戦者になることが多くなる」と理由を説明。羽生九段の初防衛を阻止したのが谷川九段だった。

「ほかの棋士の目標になって研究される」とも指摘。弱点を徹底的に調べられ、対策を練られてしまうという。「挑戦者は予選を勝ち上がってきた勢いがあり、受け止める側は技術力だけでなく、はじき返す精神力が必要」と話す。

大阪商業大学アミューズメント産業研究所の主任研究員、古作(こさく)登さんも、精神面に言及。「タイトルを守りたい気持ちが、勝負ではマイナスに働く」。タイトル保持者が防衛を意識する余り、勝負どころで踏み込めないこともあるという。

ただ、これまで「記録やタイトルは意識しない」と発言し続け、自然体で臨んできた藤井棋聖。初戦を飾り、谷川九段は「とにかく将棋を指すことを重視しているので、こうしたことは関係ないかもしれない」と話した。(中島高幸)

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