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身近に感じてもらえたら 「半径5メートル」芳根京子 NHK 金曜午後10時

撮影・川口良介
撮影・川口良介

世の女性が感じる違和感や生きづらさを扱う女性週刊誌の編集者、前田風未香(ふみか)を演じる。「半径5メートル」の足元から世の中が見える、というキャッチコピーの通り、身近な話題から社会の課題を浮き彫りにしていく「お仕事ドラマ」だ。

週刊誌の記者といえば、ひたすらスクープをねらうイメージだったという。しかし、風未香が異動した先は生活情報などの記事を扱う部署。ベテラン記者、亀山宝子(永作博美)とコンビを組み、独自の見方で社会の課題に迫る。「宝子さんはストレートに指示を出すのではなく風未香をもやもやさせて考えさせる。そういうふうに育ててくれる先輩はありがたいし、一緒に仕事をしていて気持ちいいと思う」と全幅の信頼を置く。

撮影現場でも、常に近い距離にいる永作から力をもらった。演技に自信がなくなったときは、「大丈夫よ。それでいいと思うよ」と背中を押してくれ、迷ったときは「やりたいようにやって。対応するから」と明るく声を掛けてくれたという。

脚本の橋部敦子は、「モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~」(テレビ朝日)で昨年度の向田邦子賞を受賞。自分を縛る価値観から解放され、「自分を受け入れていく」人の姿を描く作品を多く送り出してきた。本作も週刊誌の編集部を世間のイメージとは違う切り口から描き、登場人物も個性的。「結論が想像つかない新しいドラマ」(芳根)になっている。「違う視点から見れば違う情報がある。見えているものだけで物事を決めつけず、いろんな角度から見て判断してほしい」と視聴者にメッセージを送る。

NHKの連続テレビ小説「べっぴんさん」で〝朝の顔〟になって5年近く。今期はドラマ「コントが始まる」(日本テレビ)にも出演し、主演映画「Arc(アーク)」の公開も迫る。超が付くほどの売れっ子だが、「役というのは舞い降りてくるもの。どんな役が舞い降りてくるか楽しみだし、芳根京子だったら安心だと思われたい」と受け身の姿勢の下で研鑽(けんさん)を積むことも忘れない。

「風未香はすごいできる主人公でもないし、できない主人公でもない。視聴者にとって身近な、半径5メートルにいる女性と感じてもらえたら」

半径5メートルから始まる物語は、はるかかなたの視聴者にしっかりと届いている。

よしね・きょうこ 平成9年生まれ、東京都出身。25年、ドラマ「ラスト♡シンデレラ」(フジテレビ)で女優デビュー。翌年、NHK連続テレビ小説「花子とアン」に出演、28年の「べっぴんさん」ではヒロインを務める。ほかに、ドラマ「表参道高校合唱部!」(TBS)、「海月姫」(フジテレビ)など。映画「累-かさね-」「散り椿」で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。

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