<独自>JR東、変動運賃制の意向を企業に調査へ

JR山手線の池袋駅
JR山手線の池袋駅

JR東日本が今夏にも、時間帯などに応じて運賃を変える「変動運賃制」に関し、各企業に導入の賛否などを問う調査を行うことが5日わかった。JR東が検討している鉄道の変動運賃制が導入されると、企業によっては社員に支払う交通費負担が増える可能性もあり、反発が予想される。JR東は経済3団体を含めた大規模な調査を行い、制度設計の参考にしたい考え。

JR東は変動運賃制を当初、定期券から導入し、朝のピーク時間帯の混雑緩和を図る方針。ピーク時間帯に利用できる通常定期を値上げする一方、オフピークしか使えない「オフピーク定期」を通常定期より値下げする方向で検討中だ。

ただ、オフピーク通勤を導入できない中小企業などの場合、通常定期の値上げにより社員に支払う交通費負担が増える可能性がある。一方でオフピーク定期の値下げ幅を大きくする方が企業にオフピーク通勤を促す効果は高くなるため、値上げ幅などは「企業の意向をうかがいながら決めていきたい」(幹部)考えだ。値上げすることになるピーク時間帯を何時から何時までに設定するかも調査の焦点となる見通し。

変動運賃制をめぐって政府は、令和7年度までの5年間の交通政策の方向性を示した「第2次交通政策基本計画」で検討する方針を表明している。JR東の深沢祐二社長は政府に対し「できるだけ早く柔軟な運賃制度を導入できるような議論をお願いしたい」と要望している。

変動運賃制 時間帯や曜日、季節などによって運賃を変える制度。宿泊施設の料金などでは定着しており、ダイナミックプライシングとも呼ばれる。現時点で鉄道運賃には導入されていないが、JR東日本や西日本は混雑する通勤時間帯の運賃を高く設定する一方、空いている時間帯に値下げする考えを表明。政府も、課題への対応など制度の導入に向けた議論に着手する意向を示している。

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