ハンガリー政府が中国の名門大キャンパス設置計画 国内で反発

【ロンドン=板東和正】東欧ハンガリーが、首都ブダペストに中国の名門大学、復旦大のキャンパスを設置する計画を進めている。中国と親密な関係を築く同国のオルバン政権が主導している。実現すれば欧州連合(EU)内で中国の大学キャンパスが設置される初のケースになる。

国内では中国の影響力が強まることへの懸念が高まり、設置に反対する声が上がっている。復旦大は上海市にあり、数多くの中国共産党幹部らを輩出した。

欧州メディアなどによると、オルバン政権は復旦大キャンパスを2024年にブダペストで開校する計画だ。キャンパスの面積は計50万平方メートルに及ぶ。建設費は総額およそ15億ユーロ(約2千億円)とされ、うち13億ユーロを中国からの融資で賄うという。約6千人の学生を受け入れる見通しで、オルバン政権は「ハンガリーの教育水準を向上させる」と強調した。

強権的な統治手法を強めるオルバン政権は、中国に急接近。巨大経済圏構想「一帯一路」に参画し、経済連携を強化している。

今年1月には製薬大手、中国医薬集団(シノファーム)が開発した新型コロナウイルス用ワクチンを、EU加盟国で初めて承認した。

一方で、オルバン政権は民主主義を重視する教育機関を追放してきた。ハンガリー生まれのユダヤ人で民主主義団体などを支援する米著名投資家、ジョージ・ソロス氏らがブダペストに創設した「中央ヨーロッパ大学」を17年以降、国外移転に追い込んでいる。

復旦大のキャンパス設置をめぐっては、ブダペストのカラクソニー市長が中国の政治的影響を警戒し、反対している。

ロイター通信などによると、カラクソニー氏は今月2日、キャンパス予定地周辺の道路の名称を「自由な香港通り」や「ウイグル殉教者通り」などに変えると表明。中国の人権侵害を暗に批判し、計画に抗議する姿勢を示した。キャンパス設置の是非を問う住民投票を求める声も出ており、国内で混乱が続きそうだ。