【スポーツが未来を変える】びわこ成蹊スポーツ大学 吉倉秀和講師 「意義」再考の転換期に(1/2ページ) - 産経ニュース

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びわこ成蹊スポーツ大学 吉倉秀和講師 「意義」再考の転換期に

びわこ成蹊スポーツ大学 吉倉秀和講師
びわこ成蹊スポーツ大学 吉倉秀和講師

東京オリンピック・パラリンピックは「過去に例を見ないスポーツの祭典」として、開催される予定でした。史上最多の競技数、2019年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会に続く大規模イベント開催、そして国内のスポーツ産業は一気に拡大へ―のはずが、別の意味で過去に例を見ない大会となりそうです。

このコラムで開催の是非に関する論考はしませんが、一般的にスポーツイベントの開催は、「経済的価値」「社会的価値」「教育的価値」という3つの価値をもたらします。東京大会の国内スポンサー料は約3500億円という過去最高金額を更新し、インバウンド(訪日外国人客)による経済効果やスタジアムの建設などは経済的価値に当てはまります。そういった金銭的側面に目が向きがちですが、その他にもオリ・パラを契機とするさまざまな取り組みが実施されてきました。

例えば、ICT(情報通信技術)やIoT(モノのインターネット)活用の施策として、15年から高速大容量の5G(第5世代)通信を用いた研究開発や実証実験が急速に進んだことは、最先端のIT活用を世界に示すためであり、東京大会がそのショーケースになる予定でした。また、ユニバーサルデザイン2020行動計画やバリアフリー法の改正といった、あらゆる人にやさしいまちづくりが展開されていることも、新たな価値の一つです。こういった社会インフラやソフトの整備が20年を目標に取り組まれ、われわれのライフスタイルに変化や充実を与えてきたことは理解しておきたい事例でしょう。

また、社会的価値として、オリンピック憲章に基づいた「文化プログラム」の展開があります。国内では文化庁を中心に基本構想が展開され、20年は過去最多の文化プログラムが開催されると予測されていました。われわれもまだ完全には知らない文化との出会いや交流の機会もその一端を担っています。最後に、教育的価値として、例えばびわこ成蹊スポーツ大学では、「オリンピック・パラリンピック教育」という多様な価値観・共生社会の理解を深める講義を新たに開講しています。