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「自立」選び離島の雄に 小値賀島(おぢかじま、長崎県小値賀町)

合併問題の後、島では大小多くの島おこし団体が設立された。平成19年には観光協会、自然学校、民泊事業の組織を統合したNPO法人「おぢかアイランドツーリズム協会」(以下、協会)が発足。島内に残る築100年以上の古民家を改修した古民家ステイ(一棟貸し宿泊施設)を提供したり、協会に〝島旅コンシェルジュ〟を置き、観光客に民泊や島ごはん作りなどの体験型の滞在プランを提案したりする。

島の自立に尽力した当時の山田憲道町長は、NPO法人「日本で最も美しい村」連合への加盟に声を上げ、平成21年に長崎県で唯一選定された。

協会の木寺智美さんは、「今年は『おぢかアイランドグリーントリップ』というプロジェクトを立ち上げ、海洋ゴミ問題にも取り組む」と話しており、持続可能な島の自然環境保全に取り掛かる。一方で小値賀町役場は、学校存続のために全国から子供たちを受け入れる「離島留学」を本格化させる予定だ。

離島はよく、日本の縮図だと例えられる。観光、自然、人の暮らしをどう進化させながら守るのか。小値賀島の軌跡は一つの道標となるだろう。


■アクセス 福岡・博多港や長崎・佐世保港などから高速船やフェリーで。


■プロフィル 小林希(こばやし・のぞみ) 昭和57年生まれ、東京都出身。元編集者。出版社を退社し、世界放浪の旅へ。1年後に帰国して、『恋する旅女、世界をゆく-29歳、会社を辞めて旅に出た』(幻冬舎文庫)で作家に転身。主に旅、島、猫をテーマに執筆およびフォトグラファーとして活動している。これまで世界60カ国、日本の離島は100島をめぐった。