天安門事件32年

香港で追悼集会開催できず 「事件」TV放映中断も

4日、香港中心部のビクトリア公園で警告文を掲げる警官(AP)
4日、香港中心部のビクトリア公園で警告文を掲げる警官(AP)

【北京=三塚聖平、台北=矢板明夫】中国で学生らの民主化運動が武力鎮圧された天安門事件から32年となった4日、中国当局は北京市の天安門広場周辺などで厳戒態勢を敷いた。中国共産党創立100年を7月に控え、習近平指導部は党批判の動きに神経をとがらせている。香港でも同日、事件後31年続いてきた犠牲者追悼集会を阻止するため、香港警察が開催場所のビクトリア公園を封鎖するなど徹底的に取り締まった。

集会主催団体の幹部らを逮捕

香港メディアによると、香港警察は4日、天安門事件の犠牲者追悼集会を主催してきた民主派団体「香港市民愛国民主運動支援連合会」(支連会)副主席の鄒幸彤氏ら2人を逮捕した。無許可の集会を宣伝した公安条例違反の疑いがもたれている。

報道によると、鄒氏はフェイスブックに「個人の名義でビクトリア公園に行って追悼する」と書き込んだとして連行されたという。

一国二制度により高度の自治が保障された香港ではこれまで、中国本土では許されない天安門事件の追悼集会の開催が認められてきた。昨年、香港警察は新型コロナウイルスの感染拡大対策を理由に初めて追悼集会を禁止したが、民主活動家ら約1万人が追悼集会を強行開催していた。

今年は、昨年6月末の香港国家安全維持法(国安法)施行後初めて迎える6月4日で、当局は昨年同様、防疫上の理由で追悼集会を禁止。さらに、追悼集会参加は国安法違反の疑いがあるとして、市民に参加しないよう警告していた。

4日当日も約7000人の警官を動員。追悼集会が呼びかけられているとして、ビクトリア公園を封鎖した。

香港当局が徹底的に取り締まった背景には、7月に党創立100年を迎える習政権の意向があるとみられる。

「天安門」報じたNHK番組中断

北京市でも4日午前、天安門広場に向かう大通りには、警察車両や制服警官、武装警察が普段よりも多く配置されていた。

同日昼には、天安門事件について報じたNHK海外放送のニュース番組の放映が中断された。

天安門事件の遺族グループ「天安門の母」は同日までに声明を発表。共産党が創立100年を迎えることに触れつつ、事件解決は「党と政府の逃れられない責任だ」と強調した。声明には計122人が署名し、事件による犠牲者のリストの公開など真相解明や賠償、責任追及を求めた。