皇室ウイークリー

(695)両陛下、「全国植樹祭」にご臨席 リモートでお手植えやお手まき

全国植樹祭の会場では、赤坂御用地で式典に臨まれる天皇、皇后両陛下のお姿がモニターに映し出された=5月30日午後、島根県大田市
全国植樹祭の会場では、赤坂御用地で式典に臨まれる天皇、皇后両陛下のお姿がモニターに映し出された=5月30日午後、島根県大田市

天皇、皇后両陛下は5月30日、島根県大田市で開催された「第71回全国植樹祭」に赤坂御用地からリモートで臨席された。新型コロナウイルス禍で実際の訪問は見送られたものの、テレビの中継設備を使うなどしてオンライン環境を確保。両陛下が御用地で植樹されるお姿を、離れた現地の式典会場に中継する初の形式となった。

御用地では、芝生の広場に両陛下のお席が準備され、前方には中継用のカメラや大型モニターを搭載した車両を配置して、現地の様子を映し出した。広場には、お手植えやお手まきで使う苗木や種のほか、天皇陛下がのこぎりを入れる「ご収穫」に使うクロマツの丸太も事前に島根県から運び込まれた。このクロマツは昭和天皇が昭和46年の植樹祭で同市に植えたもので、陛下が平成3年に訪問した際に手入れをされたこともある。植樹祭でご収穫が行われるのは今回が初めて。

陛下はお言葉で、「私たちは今、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、人と人との交流に大きな制約を受けるなど、日々の生活に様々な制限を余儀なくされています」とコロナ禍にご言及。直接訪問できないことを「残念」としつつも、収穫や植樹を通じ、「新たな『緑の循環』を始めることができることをうれしく思います」と述べられた。

全国植樹祭で、退席される天皇、皇后陛下のお姿が現地会場のモニターに映し出された=5月30日、島根県大田市
全国植樹祭で、退席される天皇、皇后陛下のお姿が現地会場のモニターに映し出された=5月30日、島根県大田市

クロマツの収穫に続き、両陛下はスギやヤマザクラなどの苗木を、くわで丁寧に土をかけて植えられた。陛下は式典の進行に携わった同県の児童らに「私たちに丁寧に説明をしていただき、どうもありがとう」と謝意を伝え、「どうかくれぐれも体に気を付けて、実り多い学校生活を送ってください」と画面越しに声をかけられた。苗木や木材は式典後、島根県に返送された。

皇后さまは6月2日、皇居内にある紅葉山御養蚕所を訪問し、養蚕を手伝う担当者とともに、蚕が繭を作りやすくするために「蔟(まぶし)」と呼ばれる専用の網に移す「上蔟(じょうぞく)」や、今年初めてできた繭を収穫する「初繭掻(まつまゆかき)」に臨まれた。

側近によると、皇后さまは、「これは巣を作るところを探しているんでしょうか」と様子を観察しながら、5センチほどの大きさの蚕を1匹ずつ手で蔟に移された。収穫した繭を集め、専用の機械を使って細かい糸を取る毛羽取りの作業も行い、担当者に「こういう作業は日本ではどこでやっているんですか」と尋ねられたという。