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バイデン政権、ASEAN取り込み急ぐ

バイデン米大統領(AP)
バイデン米大統領(AP)

【ワシントン=黒瀬悦成、シンガポール=森浩】シャーマン米国務副長官は4日までの日程で東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国のインドネシアとカンボジア、タイを歴訪した。バイデン米政権は日米とオーストラリア、インドの4カ国(通称クアッド)の枠組みに加え、ASEANをインド太平洋戦略の「両輪」に据える考え。中国が加盟国に経済攻勢で影響力を高める中、関係強化を急いでいる。

シャーマン氏の外遊は副長官就任後初めて。バイデン政権は、トランプ前大統領がASEAN諸国が参加する東アジアサミットを4年連続で欠席し、「東南アジア軽視だ」と批判されてきたことを受け、ASEANを重視していく姿勢だ。

米国は、中国が巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げ、ASEAN諸国を「債務漬け外交」などで取り込んでいくことを警戒。シャーマン氏は2日の電話会見で、ASEANに「(米中の)どちらかを選べとは要求しない」としつつ、「米国が求めるのは全ての国が法に基づく秩序の下で活動できるよう、公正な競争の場が確保されることだ」と述べ、中国の不公正な経済慣行を暗に批判した。

シャーマン氏が今回、特に中国傾斜が顕著なカンボジアを訪れたのも、中国やASEAN諸国にクギを刺すためだ。カンボジアでは昨年、米国の支援で建設されたリアム海軍基地内の戦術司令部の施設が取り壊され、代わりに中国軍が基地の拡張工事を推進。国務省報道官によると、中国は基地内で中国軍の専用地域も拡充しているとされる。

シャーマン氏はカンボジアのフン・セン首相との会談で基地問題で説明を求めた上で、「独立し均衡のとれた外交を展開することが最もカンボジア国民のためになる」とし、過度の対中傾斜を戒めた。一方で米国は新型コロナウイルス禍にあるカンボジアに1100万ドル(約12億円)の支援も表明しており、フン・セン氏はシャーマン氏に米国の貢献を高く評価した。