米制裁関税、発動を猶予 英印伊などデジタル関税に対抗

米通商代表部のタイ代表(ゲッティ=共同)
米通商代表部のタイ代表(ゲッティ=共同)

【ワシントン=塩原永久】米通商代表部(USTR)は2日、米IT大手への「デジタル課税」導入を決めた英国やインドなど6カ国に対抗する制裁関税の発動を決めたと発表した。ただし、発動は最大180日猶予し、その間、デジタル課税を含む国際税制改革の多国間交渉の妥結を目指す。各国でデジタル課税の導入が広がる動きに反発する米国が、強硬な対抗措置に出る懸念が遠のいた。

USTRのタイ代表は声明で「デジタル課税を含む国際課税の分野で、米国は多国間の解決を見いだすことに集中する」と指摘した。

IT大手から徴税するデジタル課税について、経済協力開発機構(OECD)や20カ国・地域(G20)が協議中で、米政府は「交渉妥結までさらなる時間を与える」として、6カ国への制裁関税の発動を180日間、凍結するとした。

対象国は英印のほか、イタリア、スペイン、オーストリア、トルコ。USTRは6カ国によるデジタル課税が「米企業を差別的に扱っている」と判断し、制裁発動に向けて意見公募(パブリック・コメント)などの手続きを進めていた。

各国・地域が検討するデジタル課税について、USTRはトランプ前政権期の昨年、計10カ国・地域に関して米通商法301条に基づく調査を開始。一部の国・地域は課税を停止したとして、米制裁関税の検討対象から外していた。