日本のマネロン対策また「不合格」か 国際組織が8月に結果公表 相次ぐ不正流出に対策不十分

テロ組織などにお金が流れるマネーロンダリング(資金洗浄)対策を審査する国際組織「金融活動作業部会」(FATF)が6月末にまとめる、日本に対する第4次審査の報告書について「厳しい結果」になるとの懸念が出ている。国内で電子決済サービスの悪用や暗号資産(仮想通貨)交換業者からの不正流出が頻発。対策の不十分さが露呈しているためだ。報告書は全体会合での審議後、8月に最終結果が公表される予定だが、平成20年の前回審査で「不合格」とされた汚名の返上は見通せない。

■暗号資産業者も審査対象

FATFの審査は令和元年10月末に開始。新型コロナウイルス感染拡大の影響での中断後、2年後半に再開されたが、審査結果公表は当初予定の2年8月から約1年後ろ倒しされた。

今回の審査では金融庁などの当局や銀行、証券といった金融機関に加え、暗号資産の発行や取引を手掛ける業者が初めて調査対象となった。関係者への聞き取りを中心に、資金洗浄対策の関連法整備など40項目と、企業ごとの対策の有効性など11項目を評価する。

審査の結果、40項目中で半分以上、有効性など11項目で一定数以上が合格基準に達しなければ監視対象国とされ、2年に1回程度、FATFへの対策状況の報告が求められる。そうなれば日本の金融の信頼が揺らぎ、「海外銀行との取引解除につながる可能性もあり、経済活動に影響しかねない」(大手銀幹部)。

■サイバー攻撃対応が焦点

世界の中央銀行でデジタル通貨の検討が進み、国内では給与のデジタル払いの議論が始まる中、審査の焦点となるのは、サイバー攻撃による不正送金や情報窃取に対する防止力だ。

こうした課題を踏まえ、大手銀行は海外送金の条件を厳格化。日本郵政や一部地銀は海外送金業務の撤退・縮小に踏み切るなど対策強化に努めてきた。金融庁は平成30年2月にマネーロンダリング対策指針を策定。「犯罪による収益の移転防止に関する法律」など関連法を順次改正・強化し、不合格水準とされた事項の改善を図っている。