浪速風

雲仙・普賢岳の大火砕流30年

雲仙・普賢岳の溶岩ドーム=5月、長崎県島原市
雲仙・普賢岳の溶岩ドーム=5月、長崎県島原市

火砕流も土石流も、このとき初めて知った言葉だった。記者1年目。おかしなことに、北海道の昭和新山に登り「溶岩」という言葉を覚えた子供時代の思い出とリンクして、その後も火山噴火が起きるたびに記憶がセットで蘇る

▶消防団員や報道関係者、市民ら43人の犠牲者を出した長崎の雲仙・普賢岳の大火砕流から今日で30年を迎えた。その噴火でできた溶岩ドームは平成新山と呼ばれている。当時、避難勧告区域で取材を続けたことが批判されたり、危機管理の在り方が問われたりした。ペーペー記者には理解を超え、こんな災害は二度とあるまいと思っていたら、平成26年の御嶽山(長野・岐阜県)噴火が起きた

▶火山大国日本では常に起こりうる危機だと思い知る。20年、30年といった節目の報道は風化と闘うためのマスコミの役目だ。記憶は薄れるものだが、繰り返し思い出すことで頭に回路ができる。心には「忘れないスイッチ」を刻みたい。