イスラエル野党、連立樹立で合意 首相退任の見通し

ネタニヤフ首相(UPI=共同)
ネタニヤフ首相(UPI=共同)

【カイロ=佐藤貴生】イスラエルの野党各党は2日、ネタニヤフ首相(71)の右派与党「リクード」を除外した連立政権の樹立で合意に達した。国会の承認で新内閣が発足すれば、通算15年にわたり首相を務めたネタニヤフ氏は退任することとなる。イスラエルの政局は歴史的な転換点を迎え、核開発を進めるイランやパレスチナをめぐる政策に変化が生じれば、中東全体に影響が及ぶ可能性もある。

ロイター通信によると、野党の連立協議を主導した中道「イェシュアティド」党首のヤイル・ラピド元財務相(57)は2日深夜、リブリン大統領に対して電子メールで協議の完了を報告。同氏は電話でラピド氏に祝意を伝えた。

次期政権ではユダヤ人極右政党「ヤミナ」党首のナフタリ・ベネット元国防相(49)がまず首相を務め、2年後にラピド氏と交代する。また、国内少数派のアラブ系政党「ラアム」が建国史上初めて政権入りする見通し。

政権には中道・左派の4党と右派の3党、それにアラブ系の1党の計8政党が参加する。政党間の政策やイデオロギーの隔たりは大きく、安定した政権運営の実現を疑問視する声が上がっている。

また、正式な政権成立は約10日後で、ネタニヤフ氏が発足を阻止するため切り崩し工作を本格化させるとの見方も出ている。

連立政権の樹立には国会(定数120)の半数を超える61議席の賛成が必要。3月23日の国会選ではリクードが第1党となり、リブリン氏の指名を受けたネタニヤフ氏が連立協議を行ったが、期限切れで失敗した。続いて第2党のイェシュアティド党首、ラピド氏が連立協議を委ねられ、2日夜に期限が迫っていた。

イスラエルでは19年4月からの約2年間で4回の国会選が行われるなど政治の停滞が深刻化し、混乱の収束を求める国民の声が高まっていた。

ネタニヤフ氏は1996~99年と、2009年から現在まで首相を務めている。イスラエルの安全保障やユダヤ人を重視する政策で支持を拡大したが、近年は収賄疑惑が浮上するなどして支持が低下していた。