ワクチン職場接種続く模索 副反応対応は 打たない従業員差別の恐れも

同協会ではインフルエンザであれば、医師1人と看護師2人の3人体制で午前から夕方までに200人程度の接種が可能だという。ただ、派遣する医師や看護師らは登録制で掛け持ちのケースもあり、「自治体での高齢者接種と競合し、医療従事者の確保が困難な可能性がある」と話した。

一方で、大企業では職場接種に関心を持つものの、副反応の発生時への対応に懸念を示す所もある。

金融大手の担当者は「国が職場接種をどのような形で進めていくのか、情報を待っている」とした上で「産業医とも相談しているが、現状では重い副反応が起きた場合に対応できる設備がない」と話した。また、5000人以上の従業員を抱えるインフラ大手も検討を進めるが、「副反応を想定した要員の増強が必要で、搬送先の病院も確保しておきたい」という。

実施のめどが立っても、接種は従業員の希望に基づき企業側が強制はできない。職場などで、接種の有無で差別やハラスメントが起きる恐れもあり注意が必要になる。また、接種対象についても正社員、非正規社員、アルバイトなどの雇用形態で異なれば、不公平感が生じることになる。

日本産業衛生学会理事で東京工科大の五十嵐千代教授(産業保健学)は「専属の産業医がいる大企業であれば保健師もいるので実施しやすいだろう。副反応が重ければ救急車を呼ぶしかないが、危機管理は重要でマニュアルなども必要になるだろう」との見方を示した。