国道を管理する国土交通省北海道開発局は、道内各地の出先機関を通じて各路線の巡回パトロールを実施している。「損傷箇所があればその場で応急処置をしている」と道路維持課の谷津臣則課長補佐。ただ、交通量の多い幹線道路だとわずか1日で大きなポットホールに成長することもある。谷津氏は「補修をした箇所の近くで再び起きるなど、いたちごっこの側面もある」と語る。
地球温暖化の影響も
同研究所が平成26年にまとめたポットホールに関する研究リポートによると、道東と札幌の2地域で行った調査で、1日の気温がプラスからマイナス、またはその逆に変化した当日や1、2日後に、大半のポットホールができていた。
道内の国道約6600キロ区間の約8割は昭和30年から50年ごろの高度経済成長期に構築され、老朽化でダメージを受けやすい。同リポートではさらに、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)などの気象データから「近年の気温変動幅は拡大する傾向にあり、融雪期の気温変化や融雪水のピーク量の増加も推測される」と地球温暖化の影響も挙げる。
気温の変動幅が拡大すると、0度を挟んで気温が上下する日が増え、ポットホールのできやすい環境が増えると予想されるのだ。
札幌管区気象台が平成29年に発表した気象変化に関する報告書でも「北海道の気温はさまざまな変動を繰り返しながら上昇している」といい、その背景に温暖化の影響を指摘する。