映画プロデューサー奥山和由さん、新作「女たち」公開 「まだまだ、やめない」

映画への思いを語る映画プロデューサー、奥山和由さん=東京都目黒区(石井健撮影)
映画への思いを語る映画プロデューサー、奥山和由さん=東京都目黒区(石井健撮影)

新作「女たち」が公開されるなど、映画プロデュサーの奥山和由(おくやま・かずよし)さん(67)が元気だ。コロナ禍で資金繰りに苦労したが、乗り切った。自身の製作会社の発足から四半世紀の記念作だが、「まだまだ、やめる理由はみつからない」と尽きない映画への思いを語る。

やめる理由がない

奥山さんは映画大手、松竹で北野武監督「その男、凶暴につき」、今村昌平監督「うなぎ」など話題作を多数製作したが、専務だった平成10年、「独断専行」などを理由解任された。

電撃的な解任劇に多数の報道陣が集まり、奥山さんは当時の本社ビル前で取材に答えた。「あのとき、ビルの窓から社員らが顔を出し、『やめさせろ』とどなっていた」と振り返る。

しかし、奥山さんはチームオクヤマという自身の製作会社で翌年、浅野忠信さん主演の映画「地雷を踏んだらサヨウナラ」を発表し、その後もプロデューサーとして映画を作り続けている。

最近も、大林宣彦(おおばやし・のぶひこ)監督の遺作「海辺の映画館―キネマの玉手箱」や女優の樹木希林(きき・きりん)さんが企画し浅田美代子さんが主演した「エリカ38」など話題作を手がけている。

「映画界への抵抗とか、そんな気持ちはありません。ただ、映画作りをやめる理由が自分の中にみつからないから作り続けているだけです」

次への旗印

そんな奥山さんが製作を手がけた最新作が「女たち」。監督は内田伸輝(のぶてる)さんだが、全体の構成は奥山さんが手がけた。

社会に溶け込みたいがうまくいかず、介護している母親(高畑淳子=たかはた・あつこ)に手をかける美咲(篠原ゆき子)と世間から隔絶して生きる養蜂家の香織(倉科カナ=くらしな・かな)という対照的な女性の人生を描くが、映画はどちらが幸せか断言はしない。