コロナ その時、

(31)医療者にワクチン接種開始 2021年2月17日~

米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンの先行接種が2月17日、国内でようやく医療従事者を対象に始まった。政府は高齢者の接種開始にもめどをつけたが、接種完了がいつになるかの見通しは立たなかった。一方、緊急事態宣言の対象地域のうち大阪など6府県で期限を前倒しして28日に解除に踏み切った。

新型コロナウイルスワクチンの国内接種の1例目は2月17日、国立病院機構東京医療センター(東京都目黒区)で行われ、医師や看護師ら12人が米ファイザー製ワクチンの接種を受けた。「これまで受けた予防接種で一番痛みがなかった」と笑顔を見せた新木(あらき)一弘院長は、職員や患者、家族の感染防止へ「(医療従事者が)率先して受ける必要がある」と接種の意義を強調した。

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全国100の病院から約4万人が先行接種への参加を希望。うち約2万人に日々の健康状態を記録してもらい副反応などを確かめた。接種は4月以降、65歳以上の高齢者、次に基礎疾患(持病)のある人や高齢者施設の従事者への実施というスケジュールが設定された。河野太郎ワクチン担当相は24日、4月26日の週には全市区町村に少なくとも1箱(最大1170回分)ずつ行き渡る量のワクチンを発送すると表明したが、どの時期にどれだけの人が接種を終えられるかという見通しは立たなかった。

政府は19日、孤独・孤立の問題が顕在化したことを受け「孤独・孤立対策担当室」を設置した。担当する坂本哲志1億総活躍担当相に、日本の対策を参考にしようとする海外のメディアから取材依頼も相次いだが、具体像はまだ見えない。

米、WHOに200億円拠出

米国のトランプ前政権はコロナ対応における中国寄りの姿勢を批判して世界保健機関(WHO)の脱退を通告したが、バイデン政権はそれを覆して残留を決めた。国連安全保障理事会は17日、閣僚級のオンライン会合を開き、ブリンケン米国務長官は「多国間主義や国連、WHOは必要不可欠だ」と述べ、WHOに対して2月末までに約2億ドル(約212億円)を拠出すると表明した。

WHOはワクチンを共同購入して途上国にも分配する国際的枠組み「COVAX(コバックス)」を通じた供給を始め、第1弾として英製薬大手アストラゼネカ製のワクチン60万回分が24日、西アフリカのガーナに届けられた。

コロナ禍で主要国が金融緩和を続け、市場は活況を呈したが、ネット上で連帯する個人投資家を巻き込み過熱する局面もあった。1月下旬に米ゲーム販売店大手の株価などが乱高下した問題で、米下院金融委員会は18日に公聴会を開き、個人投資家による取引を制限したネット証券が正当性を主張しつつも陳謝した。

総務省接待問題で国会混乱

国会では、菅義偉(すが・よしひで)首相の長男、正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」による総務省幹部の接待問題が尾を引いていた。武田良太総務相は19日、情報流通行政局長らを更迭。東北新社は26日、二宮清隆社長の引責辞任を発表し、接待に関与した正剛氏も懲戒処分を受けた。

女性蔑視問題で東京五輪・パラリンピック大会組織委員会会長を辞任した森喜朗氏の後任に18日、橋本聖子五輪相が就いた。後任の五輪相には丸川珠代参院議員が就任して出直しを図ったが、両者はコロナ禍に国民の信頼回復という難題も背負うことになった。

新型コロナ対策を厚生労働省に助言する専門家組織は18日、感染者の減り方が鈍化している可能性があるとの分析結果を示した。東京・歌舞伎町など緊急事態宣言下の複数の地点で、夜の人出が増加に転じたことも報告された。東京都の小池百合子知事は19日の記者会見で、感染者が急増するリバウンドの防止へ、「気を緩めてはならない」と訴えた。都と埼玉、千葉、神奈川3県の各知事は23日のテレビ会議で、緊急事態宣言の前倒し解除を要請しないことで一致した。

対照的だったのが関西だ。大阪、京都、兵庫の3府県の知事は同日、西村康稔経済再生担当相との会談で、3月7日の期限を待たず、2月末をめどに宣言を解除するよう要請。新規感染者が減り、病床の逼迫(ひっぱく)も改善され「緊急事態を脱した」と判断したが、結果的に人の交流が活発化した3~4月に感染は再拡大し、大阪などは医療崩壊の危機に直面する。

(30)2021年2月1日~ ワクチン接種 見えぬ計画

(32)2021年3月1日~ ワクチン接種混乱、変異株で死者

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