WHO総会、機能・体制強化に向けた決議案を全会一致で採択

WHOのテドロス事務局長(AP)
WHOのテドロス事務局長(AP)

【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)年次総会は5月31日、将来のパンデミック(世界的大流行)に対応するため、WHOの機能や体制を強化する方針を盛り込んだ決議案を全会一致で採択し、閉幕した。感染症発生時の情報共有など、加盟国の連携強化を図る「パンデミック条約」を制定に向けた議論を行う方針でも合意した。

WHOや各国の新型コロナウイルスへの対応が遅れた反省を踏まえ、改善に向けた一歩を踏み出した。

31日に採択された決議案では、WHOが新型コロナの対応で十分な備えができていなかったと指摘し、新たな感染症に向け「WHOの能力を強化し続ける」方針を明記した。

WHOの機能や体制を強化するための作業部会を設置することも決めた。

作業部会は加盟国の代表らで構成され、来年の年次総会で機能を強化するための具体的な方針をまとめた提言を公表する予定だ。

WHOの予算を2022~23年の2年間に、前期比16%増となる61億2170万ドル(約6700億円)とすることも承認された。

WHOの機能強化に向けた計画が本格化したのは新型コロナ発生以降、初めて。テドロス事務局長は31日、「歴史的な決議が承認された」と歓迎した。

WHOの新型コロナ対応を検証する独立委員会は年次総会で、新たな感染症が発生した際、当該国の同意なしに即座に情報を発信し、現地調査を実施できるよう、WHOの権限を強化すべきだとの最終報告書を提出した。作業部会は独立委の最終報告書をもとに提言を作成するとみられる。

年次総会では、パンデミック条約制定に向け、今年11月29日~12月1日にWHO総会の特別会合を開催し、議論をする方針を示した決議案も採択された。