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対話から対露対決に舵 ウクライナ大統領就任2年

就任2年に合わせた記者会見を行うウクライナのゼレンスキー大統領。ロシアとの対話路線を改め対決姿勢を強めている=5月20日(AP)
就任2年に合わせた記者会見を行うウクライナのゼレンスキー大統領。ロシアとの対話路線を改め対決姿勢を強めている=5月20日(AP)

ウクライナの大統領は5月20日、就任から2年を迎えた。ゼレンスキー氏は就任当初、同国東部で続く親ロシア派武装勢力との紛争やロシアによるクリミア半島併合問題を、ロシアとの対話を通じて解決する意欲を示していた。しかし成果を出せず支持率が低迷する中、最近の同氏は対話路線を転換し、欧米を後ろ盾とした対露圧力の強化でロシアに譲歩を迫る方針を強く打ち出している。ただ、ロシアは一歩も引かない構えで、ゼレンスキー氏が現状を打開できる公算は大きくないのが実情だ。

親露派排除に意欲

「プーチン(露大統領)の親密な友人であるメドベドチュクのようなオリガルヒ(新興財閥主)は往年の影響力を持っていない。われわれは100人(オリガルヒ)のためでなく、4000万人(国民)のための国をつくるのだ」

ゼレンスキー氏は5月20日、就任2年に合わせた記者会見でそう述べ、ウクライナの宿弊となってきたオリガルヒによる汚職の撲滅と、ロシアの影響力排除を進める意志を強調した。

メドベドチュク氏は露政財界にも人脈を持つウクライナの富豪で、かつ親露派有力野党「野党プラットフォーム」の党首。これに先立つ11日には、ウクライナ検察当局がメドベドチュク氏を国家反逆罪などで刑事訴追したと発表していた。発表によると、同氏はロシアによるクリミア併合を受け、自身の関連会社が保有していたクリミアのガス田の採掘権をロシア側に譲渡したとされる。メドベドチュク氏は「政治弾圧だ」と反発している。

メドベドチュク氏をめぐっては2月にも、「同氏の所有する複数のテレビ局が親露プロパガンダ(政治宣伝)を行っていた」との理由で、ゼレンスキー氏は各局の放送停止と資産凍結を定めた大統領令に署名していた。

メドベドチュク氏の刑事訴追に対し、プーチン露大統領は5月14日、「ウクライナで親露的政治勢力の浄化が行われている」として、ロシアへの〝脅威〟に対抗すると表明。対話路線から対決路線にかじを切ったゼレンスキー氏への警戒感をあらわにした。

欧米背景に協定修正図る

内政だけでなく、ゼレンスキー氏は外交・軍事上でもロシアへの圧力強化を進める構えだ。

ゼレンスキー氏は、クリミア奪還をテーマにした国際首脳会議を今年8月に開くことを計画。バイデン米大統領ら欧米諸国に加え、日本の菅義偉首相も招待し、対ロシアで民主主義陣営を結束させたい意図を鮮明にした。

5月6日にはブリンケン米国務長官と会談し、ウクライナへの米国の支持を確認。さらに同月に本格的に始まった北大西洋条約機構(NATO)主導の合同軍事演習「ディフェ

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