上半期ベストセラー1位は芥川賞の「推し、燃ゆ」

『推し、燃ゆ』宇佐見りん著(河出書房新社・1400円+税)
『推し、燃ゆ』宇佐見りん著(河出書房新社・1400円+税)

出版取次大手の日販とトーハンは1日付で、今年上半期(令和2年11月24日~3年5月21日)のベストセラーを発表した。総合1位は両社ともに、1月に芥川賞に選ばれた宇佐見りんさんの小説「推し、燃ゆ」(河出書房新社)だった。日販によると、小説作品が上半期総合1位となるのは、平成25年の村上春樹さんの「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」以来8年ぶり。

「推し、燃ゆ」はアイドルの熱狂的なファンである高校生の心情を描く。芥川賞史上3番目の若さ、当時21歳の現役大学生による受賞も話題を呼び、累計50万部に達した。日販によると、これまでの芥川賞作品と比べて20代の読者も多く、幅広い層に売れている。

総合ランキングではほかに、スマートフォンが人の脳にもたらす影響を説いた「スマホ脳」が日販で2位、トーハンで3位。人気占い師が書いた「星ひとみの天星術」が日販で3位、トーハンで4位に。昨年社会現象となった「鬼滅(きめつ)の刃」関連作品は今回も塗り絵や小説版などがランク入りしており、根強い人気がうかがえる。人気コミック「呪術廻戦(じゅじゅつかいせん)」の小説版もトーハンで8位、日販で9位と健闘した。

日販では、新型コロナウイルス禍を受けた人々の生活スタイルの変化がランキングに影響していると分析。「小説人気の再燃や、占い関連作品の人気上昇といった傾向がみられ、長引く自粛生活によって『人の心の内面』に対する人々の関心が高まった」とみている。

日販の総合ランキングは以下の通り。

(1)推し、燃ゆ(河出書房新社)(2)スマホ脳(新潮社)(3)星ひとみの天星術(幻冬舎)(4)人は話し方が9割(すばる舎)(5)鬼滅の刃 塗絵帳-蒼-、鬼滅の刃 塗絵帳-紅-(集英社)(6)52ヘルツのクジラたち(中央公論新社)(7)本当の自由を手に入れる お金の大学(朝日新聞出版)(8)秘密の法(幸福の科学出版)(9)呪術廻戦 逝く夏と還る秋(集英社)(10)鬼滅の刃 風の道しるべ(集英社)