豪州とNZ、対中国批判で足並み 香港・ウイグル問題「重大な懸念」

【シンガポール=森浩】オーストラリアのモリソン首相とニュージーランド(NZ)のアーダン首相は5月31日、NZ南部クイーンズタウンで会談した。両首脳は、統制強化が進む香港や中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区の問題に「重大な懸念」を表明。中国と対立が深まる豪州に、中国に融和的とされたNZが足並みをそろえた。

会談後、両首脳は中国に対して人権を尊重し、国連などに同自治区への自由なアクセスを認めるよう求める共同声明を発表した。また、中国を念頭に貿易面での「経済的威圧」に懸念を表明した。

豪州、NZともに中国は最大の貿易相手国だが、外交的な対中姿勢は異なっていた。豪州は昨年、新型コロナウイルスの発生源について第三者による調査を求め、中国との関係が悪化した。中国は幅広い豪州産品に高関税を課すなど事実上の報復措置に出ている。

一方、NZは今年1月に中国との間の自由貿易協定(FTA)を強化するなど経済面の連携を進めていた。マフタ外相は4月、豪州や米国などとつくる機密情報共有の枠組み「ファイブアイズ」が、対中連携と化すことに「不快だ」ともコメントしていた。

NZは中国の人権問題に及び腰という批判を受け、アーダン氏が今回の首脳会談を通じて一定の軌道修正を図った形だ。アーダン氏は会談後の会見で、中国を念頭に「豪州とNZは(人権や通商などの問題に関して)全く同じ立場を取っている」と強調した。