九州新幹線長崎ルート、佐賀県と国の協議いまだ平行線

佐賀県と国土交通省の担当者によるオンライン協議=佐賀県庁
佐賀県と国土交通省の担当者によるオンライン協議=佐賀県庁

九州新幹線長崎ルートで未着工の佐賀県区間(新鳥栖―武雄温泉)をめぐり、同県と国土交通省が31日、オンラインで協議し、同県は与党検討委員会が5月26日に示した新幹線のフル規格整備を前提とした対応方針に不快感を表明した。フル規格が「最適」とする国に対し、それに反対する県で協議は平行線をたどり、いまだ事態打開は見通せない。

「佐賀県を無視する形で強い違和感を持っており、今後の協議への懸念もある」

県の山下宗人地域交流部長は協議冒頭、国交省の足立基成幹線鉄道課長に対し与党方針に関わらず、県と国による協議ではフル規格を前提としないことを改めて確認した。

足立氏は「与党が求めているフル規格を実現するための協議ではない」と応じたが、「フル規格での整備がネットワークとして適切ではないか」と従来の考えも強調した。

与党検討委による対応方針は、佐賀県の財政負担の軽減や、県が懸念を示す並行在来線の運行にJR九州が関与することなどを示した。地元関係者からは「一歩も二歩も前進」「県が一番のネックだとしていた財政負担の問題に解決策が示されつつある」と評価する声も上がるが、県の姿勢はかたくななままだ。

この日の協議では「在来線の利便性低下を懸念している」と訴える山下氏に対し、足立氏はJR九州を交えた3者による意見交換を提案した。しかし、山下氏は「フル規格を前提に在来線についてJRと協議することは、現時点ではありえない」と一蹴した。

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