水田に映える「藤波の花」 秋田・大館市「十ノ瀬 藤の郷」 <動画あり>

朝方から雨が降り、「十ノ瀬 藤の郷」に霧がかかる。庭園の名称は、西側にある十ノ瀬山からきている。背が高い香椿(チャンチン)の木も藤と同じ時期に葉がピンクになる =5月21日、秋田県大館市
朝方から雨が降り、「十ノ瀬 藤の郷」に霧がかかる。庭園の名称は、西側にある十ノ瀬山からきている。背が高い香椿(チャンチン)の木も藤と同じ時期に葉がピンクになる =5月21日、秋田県大館市

山あいの田園地帯を車で走ると、ぽつんと現れる薄紫やピンク色の一帯。田植えが終わったばかりの水田に新緑と藤の花が映る。

青森県に接する秋田県大館市にある「十ノ瀬(とのせ) 藤の郷」。近年SNSなどで人気を集め、多くの人が訪れる観光スポットとなっている。

25年前、地元の農家、津島弘さんが自分のポップ畑だった敷地に、趣味で藤の庭園を造ったのが始まりという。知る人ぞ知る藤の名所で、地元の人だけが楽しんでいた。4年前に84歳で弘さんが亡くなると、長男の嘉弘さん(58)が「藤を放っておいてはもったいない」と受け継いだ。

藤の花が見ごろを迎えた「十ノ瀬藤の棚」 =秋田県大館市(宮崎瑞穂撮影)
藤の花が見ごろを迎えた「十ノ瀬藤の棚」 =秋田県大館市(宮崎瑞穂撮影)

多くの人に庭園を見てもらおうと、地元のデザイン会社と協力し、駐車場やトイレを整備。入場無料で2年前には2万人が訪れたが、昨年は新型コロナの影響で公開を中止。今年は期間を12日間に短縮して公開して開園している。

庭園は広さ約20アール、藤の木は約80本。嘉弘さんは「寡黙な父で、藤の栽培について何も聞いたことがなかった。剪定は作業量が多く大変だが、一から本で勉強し管理している。父が始めたものが、こんな人気になるとは」と驚いた様子。

藤の郷に接する水田も弘さんが亡くなると同時に耕作をやめていたが、来園者から「あったほうがいい」との要望を受け、2年前から藤と水田の競演を復活させた。田植えをする津島トミエさん(88)は「何も話さない人だったが、ひとりでここまで造るのは大変だったのでは」と亡き夫を振り返る。弘さんが残した藤は親子により大切に守られている。(写真報道局 宮崎瑞穂)

藤の花が見ごろを迎えた「十ノ瀬藤の棚」 =秋田県大館市(宮崎瑞穂撮影)
藤の花が見ごろを迎えた「十ノ瀬藤の棚」 =秋田県大館市(宮崎瑞穂撮影)
藤の花が見ごろを迎えた「十ノ瀬藤の棚」 =秋田県大館市(宮崎瑞穂撮影)
藤の花が見ごろを迎えた「十ノ瀬藤の棚」 =秋田県大館市(宮崎瑞穂撮影)
藤の花が見ごろを迎えた「十ノ瀬藤の棚」 =秋田県大館市(宮崎瑞穂撮影)
藤の花が見ごろを迎えた「十ノ瀬藤の棚」 =秋田県大館市(宮崎瑞穂撮影)
藤の花が見ごろを迎えた「十ノ瀬藤の棚」 =秋田県大館市(宮崎瑞穂撮影)
藤の花が見ごろを迎えた「十ノ瀬藤の棚」 =秋田県大館市(宮崎瑞穂撮影)