産経抄

5月30日

「粋」とは、江戸の庶民文化が咲かせた花といわれる。〈串という字を蒲焼(かばやき)と無筆よみ〉と川柳にある。「無筆」は読み書きのできない人のことだが、なかなかどうして気が利いている。「粋」の面目躍如だろう。

▼江戸の町を彩った花も、いまは昔らしい。落語家の春風亭一之輔さんが小紙のコラムで筆を尖(とが)らせていた。新型コロナ禍で傷ついた芸能・芸術の再建にお上も一肌脱いでもらいたい。さりとて「官房長官に『寄席(よせき)』と読まれたら、諦めるしかないか」と。

▼ひと月ほど前、緊急事態宣言下で客を入れた東京都内の寄席(よせ)に無観客を要請した際の読み間違い、いや失言である。「未曽有(みぞう)」を「みぞゆう」と読んだ元首相のいる永田町ゆえ驚きはない。「粋」という物差しで測れば、どちらも無筆氏とは文化の異なる人だろう。

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