100万回接種の目標 「菅流」に不満も首相は自信

9都道府県への緊急事態宣言の延長を表明し国民へさらなる協力を呼びかける菅義偉首相=28日午後、首相官邸(春名中撮影)
9都道府県への緊急事態宣言の延長を表明し国民へさらなる協力を呼びかける菅義偉首相=28日午後、首相官邸(春名中撮影)

新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、菅義偉(すが・よしひで)首相は自身が掲げる「65歳以上の高齢者接種の7月末完了」の実現に向け、政府を挙げた総力戦で臨んでいる。あえて高めの目標を設定し省庁や自治体を動かそうとする「菅流」には不満も漏れるが、首相は意に介する様子はない。自治体の要望にも耳を傾けつつ万全の接種体制を整備する意向で、1日100万回の目標も「(実現が)見えてきた」と自信をのぞかせる。

「ロックダウン(都市封鎖)しようが何しようが、海外でも結局はワクチンしかない。一日でも早く接種することがすべての対策に通じる。そこに集中してやるんだ」

首相は最近、周囲にこう繰り返し、ワクチン接種に全力を傾ける考えを強調している。接種が進む欧米では新規感染者数が減少し、社会や経済の正常化に向かっていることが念頭にあるようだ。

首相は日々、ワクチンの接種回数について報告を受け、「(接種率が最も進んでいる)和歌山はすごいよね。頑張っているよね」と話すなど都道府県の接種率も把握。自治体の首長とも自ら情報交換を重ねる。

首相の強い思いは28日の記者会見でも表れた。

「6月中旬以降は打ち手も含めて、100万回に対応できるような体制ができていくと思う」

接種体制の見通しについて首相はこう言い切った。ただ、首相側近によると「6月中旬に体制構築ができるというきちんとした報告が、役所から上がっているわけではない」という。ワクチン接種の担当者は「根拠がないからこそ、あそこまで言い切れたのでは…」と嘆息する。

それでも首相は、周囲に「最近は1日の接種回数も伸びてきている。大規模接種を設置する自治体も増え、今後は企業などの職域接種も始まる」と語り、100万回の目標達成に向けて手応えを感じている。