医療従事者のワクチン接種に遅れ 大阪「第4波」打撃大きく - 産経ニュース

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医療従事者のワクチン接種に遅れ 大阪「第4波」打撃大きく

新型コロナワクチン接種を受ける医療従事者=大阪市阿倍野区の大阪市立大学医学部付属病院
新型コロナワクチン接種を受ける医療従事者=大阪市阿倍野区の大阪市立大学医学部付属病院

全国で新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け接種が進む中、大阪府で医療従事者への接種が当初の計画通りに進んでいない。全国で2回の接種を終えた医療従事者は5割を超えたが、感染拡大「第4波」で医療体制が逼迫(ひっぱく)した府では4割ほどにとどまる。府内自治体では高齢者向けの接種会場で出たキャンセル分を活用するなどし、医療従事者への接種促進を図る。

「どこで感染するかわからない。順番がきてよかった」

大阪市立大学医学部付属病院(大阪市阿倍野区)で24日、接種を終えた40代の女性看護師はほっとした様子で話した。同病院は同日から開業医や看護師ら外部の医療従事者への接種を始め、28日までに計1千人の接種を行った。

同病院では院内の医療従事者約3千人の大半の接種を終えたあと、外部の受け入れを始めた。ただ今もコロナの重症患者の受け入れが続くため、接種を担う医師や看護師の人繰りは厳しい。大学教授や研修医も接種に投入したという。

柴田利彦副院長は「医療従事者の安全を守れないと患者の命を救えない。ワクチン接種を進め、他の医療機関とともに新型コロナと闘いたい」と話した。

厚生労働省によると、全国の医療従事者ら約480万人(全国知事会推計)のうち、2回の接種を完了したのは5月21日時点で247万人。これに対し、大阪府では接種希望の医療従事者約36万3千人のうち、2回を接種を終えたのは4割弱の13万人だった。

府の当初計画では、1回目接種は5月中にほぼ完了できる見通しだった。5月21日時点での進捗(しんちょく)は約6割と、1回目の接種でも遅れが生じている。

理由として府の担当者が「初期のワクチン供給の遅れ」を挙げるほか、「第4波」に伴う医療機関への負担増の影響も大きい。

府の調査では、医療機関が対応できる他の医療機関職員への接種人数は2月時点で1日に7千人だったが、4月には2455人と大きく減少した。重症患者数が増加し、「打ち手」不足が顕著になったためだ。 医療従事者への接種を早めるため、自治体も対応を急ぐ。府内の多くの自治体では、キャンセルなどで出た余剰ワクチンを接種会場にいる医療従事者に回す対応を取る。大阪市では、個別接種に協力する病院に医療従事者分のワクチンを上乗せして配送し、関係者が安心してワクチン接種に専念できる環境を整える。

大阪府医師会の担当者は「抗体ができるまでに時間もかかる。個別接種が本格化する前に医療従事者の接種を進めたい」と話している。(石川有紀)