日米欧の先進7カ国(G7)の貿易相会合は28日、オンライン形式で2日間の討議を終えて閉幕した。世界貿易機関(WTO)改革で課題となっている、一部の国による産業補助金などによる不公正な競争に懸念を表明し、より強力な国際規律の策定に向けた交渉を開始するなどとする閣僚声明を発表した。産業補助金の問題では、中国による自国の鉄鋼企業への補助金支給が問題となっている。
このほか、中国を念頭にWTOで発展途上国の地位を主張する先進国に対し、途上国の地位を放棄することを要求。WTOルールでは、加盟国が途上国かどうかを自己申告し、途上国であれば貿易自由化などの義務が免除されるなどの優遇措置がある。
会合には日本から茂木敏充外相、梶山弘志経済産業相が出席したほか、WTO事務局長に就任したオコンジョイウェアラ氏も参加した。
今回は、11月開催予定の第12回WTO閣僚会議も見据え、WTOを中心とする自由貿易体制が抱える課題や対応の方向性などを議論した。
次回のG7貿易相会合について英国は、10月に対面で開催する考えを示している。