男子バレーの超新星・高橋藍 バレー人生へ導いた〝ポケモンカード〟

五輪テスト大会で存在感を放った高橋藍。東京五輪代表入りへ猛烈なアピールをしている=5月1日、東京都江東区の有明アリーナ(佐藤徳昭撮影)
五輪テスト大会で存在感を放った高橋藍。東京五輪代表入りへ猛烈なアピールをしている=5月1日、東京都江東区の有明アリーナ(佐藤徳昭撮影)

日本男子バレーボール界に超新星が現れた。東京五輪へ向けた激しい選考レースで注目のアウトサイドヒッター、高橋藍(日体大2年)。代表デビュー戦となった5月1、2日の五輪テストマッチでは、中国の高いブロックに適応して得点を量産した。28日開幕のネーションズリーグ(NL、イタリア・リミニ)では約1カ月にわたる長期戦に挑む。五輪代表12人のメンバー入りをかけた戦いへ、「足りないものを修正して、五輪を戦う力をつけることにつなげていきたい」と意欲を燃やしてる。

19歳と思えない、落ち着いたプレーがバレーファンの心をさらった。先発出場をつかんだ五輪テストマッチでは、小中学校時代のリベロ経験が生む安定したレシーブから日本の攻撃リズムを作った。強打だけでなく、乱れた体勢から相手ブロックの脇を抜く技ありのスパイクを随所で見せた。中垣内祐一監督は「彼は高いボールから速いボールまで、きちっとフィットできる能力が高い。十分な助走がとれなくてもヒットできる。19歳であれだけできるのはなかなかない」と舌を巻く。2連勝を牽引(けんいん)した若武者は、「高さに対する打ち方とかにまだまだ課題はあるが、自分自身成長していけるなという手応えを感じた」と振り返った。

その名が一躍全国に知れ渡ったのは、東京五輪イヤーとなるはずだった2020年の年明けのことだった。「春の高校バレー」として行われる全日本バレーボール高等学校選手権大会で、エースとして東山高校(京都)を初優勝へと導いた。活躍が評価され、同年2月には20年度の日本代表候補27人に選出された。新型コロナウイルス禍では筋力強化に励み、体重は高校卒業時から約10キロ増加。2024年パリ五輪世代との見方が強かった評価はプラス1年でがらりと変わり、今夏の五輪出場もいよいよ現実味を帯びてきた。

華やかなバレー人生の始まりは、意外なものに導かれた。小学2年のとき、先にバレーを始めた2歳年上の兄、塁(日大4年)の練習を見学しに体育館についていった。クラブチームの監督に「一回サーブ打ってみろ」と促されてやってみると、初心者には難しいとされるフローターサーブをいきなり成功させた。