解雇無効求め京大を提訴 霊長類研の研究費不正問題

不正に研究資金が使われた京都大霊長類研究所のチンパンジー用飼育施設=愛知県犬山市(桑村大撮影)
不正に研究資金が使われた京都大霊長類研究所のチンパンジー用飼育施設=愛知県犬山市(桑村大撮影)

京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)のチンパンジー用飼育施設の整備工事をめぐる研究費の不正支出問題で、昨年、京大を懲戒解雇された松沢哲郎・元特別教授(70)が大学を相手取り、特別教授としての地位確認などを求める訴えを京都地裁に起こしたことが28日、分かった。

訴状などによると、松沢氏は補助金で実験用の飼育施設を購入した。だが大学側は、業者の赤字補塡(ほてん)のために架空契約を行うなどして、計約5億670万円の不正支出があったとする調査結果を公表。松沢氏は昨年11月、京大から懲戒解雇され、名誉教授の称号も取り消された。

松沢氏は調査に事実誤認があると主張し、「大学に不正確な調査の見直しを再三要請したが聞き入れてもらえなかった。証拠をもとに裁判の場で申し述べる」とのコメントを出した。京大は「係争中の事案につき、コメントは差し控える」としている。

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