宇宙ベンチャーのispace JAXAから月への輸送業務受託

宇宙ベンチャーのispaceが開発する月着陸船のイメージ(同社提供)
宇宙ベンチャーのispaceが開発する月着陸船のイメージ(同社提供)

宇宙ベンチャーのispace(アイスペース、東京都中央区)は27日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とカナダ企業3社から月への輸送業務を受託したと発表した。ispaceが令和4年の打ち上げを目指して開発を進めている月着陸船(ランダー)に載せて月に運び込む。

JAXAは、タカラトミー、ソニーグループ、同志社大学と共同で開発した変形型月面ロボットを、月面で走行させる。「レゴリス」と呼ばれる月の表面を覆う砂の動きや月面での画像データを取得し、月着陸船経由で地球に電送する。得られたデータや知見は、JAXAとトヨタ自動車が共同開発を進めている有人の月面探査車(ローバー)に生かす。

カナダの3社はいずれも同国宇宙庁が実施する事業支援プログラムに参加しており、人工知能(AI)搭載のフライトコンピューターやカメラを月着陸船に積み込み、着陸後、クレーターを利用した自律走行システムの実証実験を行う。

ispaceの月着陸船には、アラブ首長国連邦(UAE)の無人ローバー、日本特殊陶業が開発したセラミックスによる全固体電池も積まれることがすでに決まっている。今回の発表により、月着陸船に載せるスペースがほぼ埋まったことになる。

同日に開かれたオンライン会見でispaceの袴田武史社長は「宇宙開発は資源の探査などにそのフェーズ(段階)が移りつつある。将来のためにもしっかりと着陸船の開発を進めたい」と語った。