朝晴れエッセー

ささやかな協力・5月26日

大学時代の友人の一人が、僕をあるSNSのグループに招待してくれた。

そのグループはやはり同じ文学部のメンツなのだが、僕自身は彼らとそれほど密なつきあいではなかった。

そのため、加わったものの特に自分から発言することはなかった。みんなのやりとりを見て、様子をうかがっていた。

コロナの第4波で、緊急事態宣言が出ようかというときのことだった。飲食店を経営しているメンバーの一人が、みんなに「酒を買わないか」と書き込んだ。

どうやら、自分の店の利益うんぬんではなく、卸売業者の売り上げに協力してあげてほしいということのようだ。彼は、利益は取らないという。

どうなるものかと様子を見ていると、最初は女性陣が書き込んだ。どういった発注の仕方がよいか、何本くらい頼めるのかなどきっちり聞いて発注していた。昔も今も、女性はてきぱきしていてたくましい。

その後、男性の何人かが「なんとか嫁の許可が下りた」と言って発注し始めた。文学部の男性はやはり、昔も今も弱々しいようだ。

そして僕も、ようやく初めて書き込みをした。酒を購入して協力することにした。

早速「ありがとう」と書き込みがあった。ささやかな協力だが、少しの役には立つことだろう。

弱いつながりを大事にしていこう。そして協力を少しずつつなげていこう。そういった一つ一つが、この閉塞(へいそく)感のある世の中を少し明るくしてくれる気がする。

渡邊護 44 岐阜県羽島市