欧米の批判に耳貸さず 記者拘束のベラルーシ、強権を加速

2017年3月、ベラルーシの首都ミンスクで、警察に拘束されるプロタセビッチ氏(AP)
2017年3月、ベラルーシの首都ミンスクで、警察に拘束されるプロタセビッチ氏(AP)

【モスクワ=小野田雄一】ベラルーシ当局による旅客機の強制着陸と反体制派ジャーナリストの拘束問題で、同国のルカシェンコ政権は欧米諸国の批判に耳を貸さず、釈放要求にも応じない構えだ。同政権は昨年8月の大統領選をめぐる抗議デモを力で弾圧し、民主主義や自由を求める欧米との関係が悪化。欧州連合(EU)加盟国を挑発するような今回の行動は、ルカシェンコ大統領の強権ぶりを改めて鮮明にした。

イタル・タス通信によると、ベラルーシ外務省のグラズ報道官は24日、航空機に爆発物が仕掛けられたとの情報に基づく強制着陸命令は「国際ルールに準拠していた」と主張。米国やEUの批判は「欧米の好戦的な大騒ぎ」だとした。

欧米諸国は、機内にいた反体制派ジャーナリスト、プロタセビッチ氏を拘束するため虚偽情報に基づき着陸させたと疑う。ベラルーシ側は現時点で、「爆発物」があったとする情報の根拠を示していない。

欧米からの非難が明白にもかかわらずEU加盟国、アイルランドの旅客機を強制着陸させる強硬措置を取ったのは、欧米との関係よりも反体制派の徹底的な弾圧で体制を守ることを優先するルカシェンコ氏の意思の表れとみられる。国営ベルタ通信は23日、「着陸命令はルカシェンコ氏個人の命令だった」と伝えた。

タス通信によると、ルカシェンコ政権は4月、プロタセビッチ氏が編集に携わっていたメディアを含む複数の反体制派メディアを「過激派」に指定。5月には反体制的な情報を拡散していたとして大規模な国内ポータルサイトへの接続を遮断したほか、反体制デモ排除のため治安部隊が銃器を使用して死傷者を出した場合でも刑事責任を免除する法律も施行した。

ルカシェンコ氏の強硬姿勢の背景には、同様の強権支配を行う隣国ロシアの支持がある。露外務省のザハロワ報道官は24日、今回の問題に「欧米側は騒ぎすぎだ」との見解を表明。両国は9月、北大西洋条約機構(NATO)の勢力圏に接するベラルーシ西部で大規模な合同軍事演習を計画するなど、欧米側への対抗姿勢を強く打ち出している。