イラン、IAEAへの協力延長 核合意めぐる協議大詰め

ウィーンにある国際原子力機関(IAEA)本部前ではためくイラン国旗(ロイター)
ウィーンにある国際原子力機関(IAEA)本部前ではためくイラン国旗(ロイター)

【カイロ=佐藤貴生】イランが2015年の核合意をめぐり、国際原子力機関(IAEA)に認めてきた暫定的な検証・監視活動が21日に期限切れを迎え、両者は1カ月間、期間を延長する方向で検討している。IAEAの活動はイラン核開発の実態把握に欠かせない重要な意義がある。ウィーンでは25日にも米イランの間接協議が再開する見通しとなっており、歩み寄りに向けて障害を取り除く狙いがあるとみられる。

IAEAの活動に関し、イランの国防・外交を統括する最高安全保障委員会のメンバーが23日、1カ月間の延長に言及。同国は2月21日、IAEAの未申告施設への抜き打ち査察の受け入れ停止を表明する一方、限定的な検証・監視活動は3カ月に限り認めるとし、米国による経済制裁の解除を目指し圧力をかけた。

IAEAは活動期間の延長を求めてイラン側と協議しており、グロッシ事務局長は24日にも協議結果について記者会見する見通し。

米イランの間接協議は他の核合意当事国の立ち合いの下、イランの核開発制限と米の制裁解除を並行して話し合う形で4月上旬に始まった。イランは今月11日、核兵器級にさらに近づく濃縮度63%のウラン製造が判明するなど、核合意の逸脱行為を続けている。

イランでは大統領選(6月18日投票)の選挙戦が今月末に始まる予定。関係国は間接協議に影響が及びかねないとして、選挙戦開始前の決着を目指して協議してきた。近く再開される間接協議が「最終ラウンド」(ロシア代表団)になるとの見方も出ており、交渉は大詰めを迎えている。

ブリンケン米国務長官は23日、間接協議では「進展があった」とする一方、イランが逸脱行為を停止して核合意に復帰する用意があるのか「まだ回答を得ていない」と述べた。一方、イランのロウハニ大統領は同日、「米国は制裁解除に同意した」とした上で、最終合意を目指して協議を続ける意思を表明。選挙戦開始が間近に迫り、穏健派のロウハニ師としては、勢いを増す保守強硬派を牽制(けんせい)する狙いもありそうだ。